
「業者に頼んだのだから、あとは任せて大丈夫」——事業ごみの処理では、これは通用しません。事業活動で出た廃棄物は、出した会社(排出事業者)が最後まで適正に処理する責任を負います。この責任を「排出事業者責任」といいます。
このページでは、仙台・宮城で事業を営む法人のご担当者向けに、排出事業者責任の範囲、委託するときにやるべきこと、業者選びのチェックポイントを整理します。
先に結論:排出事業者責任とは
- 事業活動で出た廃棄物は、排出した事業者が自らの責任で適正に処理しなければなりません(廃棄物処理法)。
- 処理を業者に委託しても、責任はなくなりません。最終処分まで適正に行われたかを確認する必要があります。
- 産業廃棄物を委託するときは、許可の確認・書面の委託契約・マニフェストの交付・記録の保存が必要です。
- 無許可業者への委託や不法投棄が起きると、排出事業者も罰則や措置命令の対象になることがあります。
排出事業者責任とは|委託しても責任が残る理由
廃棄物処理法は、事業者に対して、事業活動で出た廃棄物を自らの責任で適正に処理するよう求めています。処理を他社に委託する場合も同様で、委託先が不法投棄をした場合などには、排出事業者が責任を問われることがあります。
「委託したのだから関係ない」という理屈は通りません。だからこそ、委託先の選定から処理完了の確認までを、排出事業者が管理する必要があります。
産業廃棄物と事業系一般廃棄物で、責任の考え方は同じ
産業廃棄物だけでなく、事業系一般廃棄物(オフィスの紙くずなど)についても、排出事業者に適正処理の責任があります。違いは、産業廃棄物はマニフェストと書面の委託契約が必須で、委託先も産業廃棄物の許可業者に限られる点です。見分け方は事業ごみの分別ルールの解説で整理しています。
産業廃棄物を委託するときに必要な5つのこと

- 許可の確認:委託先が、その廃棄物を扱える許可を持っているか確認します。
- 書面での委託契約:収集運搬業者・処分業者それぞれと、書面で契約します。
- マニフェストの交付:廃棄物を引き渡すたびに、マニフェストを交付します。
- 処理完了の確認:返送されたマニフェストで、運搬・処分が終わったことを確認します。
- 記録の保存:契約書やマニフェストなどを、定められた期間保存します。
1. 許可の確認で見るポイント
- 許可証の有効期限が切れていないか。
- 扱える品目(産業廃棄物の種類)に、委託する廃棄物が含まれているか。
- 収集運搬は、廃棄物を積み込む場所と、降ろす場所のそれぞれを管轄する都道府県・政令市の許可が必要です。仙台市は政令市のため、仙台市内で積み込む場合の許可の取り扱いも確認しましょう。
- 処分は、収集運搬とは別の処分業の許可が必要です。収集運搬業者が許可を持っていても、処分までできるとは限りません。
2. 委託契約書に記載する主な事項
契約書には、法令で定められた事項を記載します。契約書の内容と実際の処理がずれていないか、定期的に確認しましょう。
- 委託する産業廃棄物の種類と数量
- 運搬の最終目的地の所在地
- 処分または再生の場所の所在地、方法、処理能力
- 契約の有効期間と、料金
- 受託者の許可の事業範囲(許可証の写しを添付)
- 適正処理のために必要な情報(性状、荷姿、取り扱いの注意点など)
- 契約を解除した場合の処理されない廃棄物の取り扱い
3〜5. マニフェスト・確認・記録
マニフェストの書き方、返送期限(B2票・D票は90日、E票は180日)、5年の保管、年1回の報告書は、産廃マニフェストの解説にまとめています。期限内に返送票が届かないときは、放置せず委託先に確認してください。
委託先の業者を選ぶときのチェックリスト
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 許可証 | 有効期限、品目、管轄(積み込み・降ろす場所)を、写しで確認する |
| 処分先の情報 | どこで、どのように処理されるか。処分場の名称・所在地を教えてもらえるか |
| 契約書・マニフェストへの対応 | 書面の契約とマニフェストを、当たり前のものとして用意できるか |
| 見積もりの内訳 | 運搬費・処分費・作業費が分かれているか。極端に安い場合は理由を確認する |
| 責任の所在 | 再委託がある場合、誰がどこまで担当するか明確か |
極端に安い見積もりには注意が必要です。処理費用を不当に抑えるために、不法投棄や不適正処理につながるケースがあります。排出事業者が処理費用を適正に負担することも、適正処理の前提です。
排出事業者責任を果たさないと起こること
- 無許可の業者に委託したり、委託基準を守らなかったりすると、懲役や罰金の対象になります。
- 委託先が不法投棄をした場合、排出事業者も原状回復などの措置を命じられることがあります。
- マニフェストを交付しない、または虚偽記載をした場合も罰則があります(詳しくはこちら)。
- 取引先や金融機関、入札などでの信頼の低下につながるおそれもあります。
自社で運んで処分場に持ち込む場合の注意点は、産業廃棄物の持ち込みのルールをご覧ください。
こんなときも排出事業者責任があります|仙台・宮城での場面別
- オフィス移転・事務所の閉鎖:家具、OA機器、書類、内装解体のごみ(オフィス移転・事務所閉鎖の処分)
- 店舗の閉店・テナント退去:什器、厨房機器、残置物(店舗閉店・テナント退去の回収)
- 業種別:美容室・サロンの閉店のごみ処分
- クリニック・歯科の閉院の廃棄物処理
- 工場の移転・閉鎖の産業廃棄物
- PC・データ機器の廃棄:廃棄とデータ消去の両方に責任があります(法人のPC処分)
- 工場・倉庫のプラスチックや金属:廃プラスチックの回収
排出事業者責任に関するよくある質問
Q. ごく少量でも責任はありますか?
はい。量にかかわらず、事業活動で出た廃棄物には排出事業者責任があります。少量でも、産業廃棄物は家庭ごみとして捨てられません。
Q. 委託先の業者が倒産したり、不法投棄をしたりしたら?
排出事業者が責任を問われる可能性があります。契約時に許可と処分先を確認し、マニフェストで処理完了を確かめることが、自社を守ることにつながります。
Q. 契約書は誰と結べばよいですか?
収集運搬業者と処分業者のそれぞれと、書面で契約するのが原則です。収集運搬業者が窓口になる場合も、処分業者との契約関係を確認しましょう。
Q. 自社で運んで処分場に持ち込む場合は?
自社で運搬する場合も、廃棄物の種類や運搬方法に関するルールがあり、処分場の受け入れ条件もあります。事前に処分先へ確認してください。
まずは、何が産廃に当たるかの確認から
排出事業者責任への対応は、「自社のごみがどの区分か」を知ることから始まります。事業ごみの分別ルールで区分を確認し、委託が必要な場合はマニフェストの流れを押さえておきましょう。料金の目安は料金・費用のページをご覧ください。
委託先の選び方や、手続きの進め方でお困りのときは、お電話でご相談ください。050-3152-1920(受付 9:00〜19:00)/メールでのお問い合わせ


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